2017/12/10

Music Picnic アンサンブルコンサート in 2017

今年も毎年恒例になっている、クリスマスコンサートが終了しました。前回年長すぎたという反省から、前回より曲目を減らしてコンパクトにしました。

プログラムに含まれる曲には、選ばれる理由や過程があり、それぞれの曲について色々な思いがありました。今回、個人的に(小嵐)、特に面白かった/感慨深かったのは、

  • 小学生のお友達同士によるウクレレ+ピアノの二重奏(意外とこういう編成での演奏がありません。あと、ウクレレの子ははじめてまだ1年、よくがんばりました)
  • 双子ちゃんと私達のリベルタンゴ(双子ちゃんはこの企画を初めた最初の年、2013年から参加していますが、随分うまく、たのもしくもなりました!)
  • モーツァルトのソナタ(4年間一度の休みなく通われましたが、受験勉強に専念するため、今回が最後の演奏になりました。難しい曲でしたが、とてもよい演奏でした)
  • 中学生の男子達のガッツある鍵盤ハーモニカ合奏(小学生の吹く鍵盤ハーモニカとは違ったパワーがありました)
  • 総勢10人でのウクレレ+ギター合奏(大勢で出す音には独特の味わいがありました)
  • 鍵盤ハーモニカ9人でのDance of the Yao People(実は15年くらい前から弾いてみたかった曲ですが、なかなか機会がなく、今回初編曲で初演奏です。皆さまお忙しい中、練習時間の確保も大変でしたが、なんとか形になりました)

などです。皆さまはいかがでしたでしょうか。

今回はじめての会場で色々と不安がありましたが、みなさまのご協力で大変スムーズに進行することができ、時間内に終わることができました。ひとつのコンサートをつくるのは私たちの力だけでは決して出来ません。お手伝い頂いた皆さまに大変感謝しております。来年もさらなるおもしろい企画を立てていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。



プログラム:

Part I
  1. ちょうちょう (B×3)
  2. サンタがまちにやってくる – J. F. Coots & H. Gillespie (Vo×3, P)
  3. Allegretto – J. B. Vanhal (P solo)
  4. Waltz in A – A. Zilinskis (P solo)
  5. 楽しき農夫 — R. Schumann (P solo)
  6. 風の通りみち – J. Hisaishi (U, P)
  7. ポル・ウナ・カベサ – C. Gardel (Vn, P)
  8. Concert in G minor — A. Vivaldi (Vn, P)
  9. アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク  — W. A. Mozart (Fl, Vc)
  10. Under the Sea – A. Menken (Mel×6, U, Ca)
  11. 夢をかなえてドラえもん – K. Kurosu (Mel×4, P, Ca)
  12. 赤鼻のトナカイ — J. Marks (Mel×6, U, P)
  13. アメージング・グレース — Anonymous (Fl, Vn, U×2, Mel×5, Gt, Vc, P)

Part II
  1. Let It Snow! — J. Styne (Vo+P)
  2. Sonata K. 545 – W. A. Mozart (P solo)
  3. 子犬のワルツ – F. Chopin (P solo)
  4. ジムノペディ — E. Satie (P solo)
  5. 待つわ – T. Okamura (Vo×2, Gt, P)
  6. ひまわりの約束 — M. Hata (Fl, Gt, P)
  7. リベルタンゴ — A. Piazzolla (Fl, Mel, G, Vc)
  8. レイダース・マーチ – J. Williams (Mel×6, P)
  9. ラ・クンパルシータ – G. M. Rodriguez (U×2, Gt×8)
  10. 荒野の果てに – J. Chadwick (U×2, Gt×8)
  11. Dance of the Yao People — Liu Tieshan and Mao Yuan (Mel×9)

B= メロディベル, Mel=鍵盤ハーモニカ, P=ピアノ, Gt=ギター, Vn=バイオリン, Vc=チェロ, Vo=歌, U=ウクレレ, Ca=カホン, Fl=フルート

2017/11/29

普通のことができること


12月に行うアンサンブルのコンサートに向けて、その準備に忙しくしています。最近アンサンブルの指導をしていて、よく指摘しているなと思うのは「リズム」です。指摘するのは、特に複雑なリズムパターンについてではなく、どちらかというと単純に見える(4分音符や8分音符で構成されるような)リズムパターンです。あまりに基本的で簡単そうに見えるためか、あまり注意して練習されないのかもしれません。一人でひいている時は良いのですが、皆で合わせてみると各自のタイム感の差によってバラバラになってしまいます。

このようなリズムや、テンポキープに関するトレーニングには、よく言われるようにメトロノームを使って練習するのが良いでしょう。しかし、ただ使うだけでは良くならない事もあります。メトロノームの音を聞いて音を出して合わせているのでは、発音が遅れてしまいますし、自分の内部に安定した拍節感覚を作って行くことができません。そういう場合はメトロノームの使い方にひと工夫する必要があります。それについては長くなるので別の機会にいたしましょう。


アンサンブルの話題に関連してもう一つ、以前伴奏についての記事(伴奏は無駄?)を書きましたが、合奏において伴奏パートというのは、主旋律パート以上に大事だと思われることがあります。伴奏が安定しているからこそ、旋律パートは自在に歌い、表現することができるからです。そのような大事なパートを任せられるのは、何より普通のことが普通にできる人です。特別な技術はほとんど必要ありません。それよりも、前述のような基本的なリズムパターン等を正しく弾くことが出来る、弾きながら他人の音を聞くことが出来る、そういう事が大切です。実際、今までいろいろな生徒を見てきましたが、そういう事ができている人、そういう事をしっかり考えて練習してきた人というのは、長年やっている方の中でさえも、意外とあまりいないようです。そういう意味で、基本のできている人というのは、誰からも重宝されるでしょう。


ロンドンで一緒に音楽を楽しみませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室<

2017/11/14

鍵盤ハーモニカによる「鐘のキャロル」

ウクライナのキャロル「Shchedryk」の動画をYoutubeのチャンネルにアップロードしました。「Shchedryk」 は日本ではあまり耳にしない気がしますが、「Carol of the Bells」というタイトルで英語圏を中心に、世界的に人気のある楽曲です。音の木音楽教室の2016年の冬のコンサートで、生徒を中心に、こどもとおとなの12人が鍵盤ハーモニカで演奏しました。美しい曲ですので、是非聞いてみてください。



尚、スコアがこちらのサイトからPDFで買えるようになっています。演奏の難易度自体は高くありませんので、是非ピアノ教室や学校などで、人を集めてチャレンジしてみてください。パート数は4つですが、出来るだけ人数が多いほうが面白くなると思います。



一緒に音楽を楽しみましょう — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/11/12

伴奏は無駄?

伴奏が独奏に比べて軽視されているという事があるようです。とある生徒から、日本の音楽教室で習っていた先生に、伴奏など時間の無駄だからやってはいけないと教えられていたと聞き、そんな考え方が世の中にはあるのかと驚いていたのですが、ギタリストの福田進一さんも同じような事があると仰っておられました。



少なくともヨーロッパでは伴奏が格下であるような話は聞いたことはありません。ヨーロッパの普通の音楽大学には伴奏法のクラスがあるだけでなく、伴奏科という専門のコースが設置されています。

ギタリストやピアニストと言うと、何故かソリストのようなものを直ぐに想像されるようなのですが、実際の音楽の仕事としては、ソリストよりも伴奏者としての仕事の方が圧倒的に多いのです。和声を出せる楽器としては当然の需要でしょう。仕事をした人ならわかりますが、多く場合、ソロばかりの仕事の機会はそれほど多くありません。ですから、もし伴奏が出来ない、人と合わせられないとしたら、これはピアニスト・ギタリストとしては致命的といえます。いつも、ひとりぼっちで演奏することになるでしょう。

ソロ演奏ができるのに伴奏が出来ない人などいるのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、事実、音楽大学を卒業していても、独奏しかしてこなかった人の中には、他人と演奏が全く出来ない方がいらっしゃいます。指はもちろん動くのですが、人と同じテンポで弾けない、テンポを一定に保つ事ができない、他人の音を聞いて合わせることが出来ない等などの問題を抱えているのです。大学を出るような段階に来てしまっていれば、残念ながらもう手遅れです。

ピアノやギターの学習の過程では、残念ながらどうしても一人ぼっちの音楽になりがちです。その問題を解決するために、音の木音楽教室ではアンサンブルのコンサートを企画して、他人と演奏する機会を作ってきました。そこで体験できるのはごく基本的な内容なのですが、その基本的な事こそが非常に重要だと考えています。

もしも機会があるならば、積極的に伴奏を買って出たり、他人と演奏するのはとても良い事だと思います。そこで色々なことを学べるならば、それが独奏にも良い方向に影響するでしょう。

一緒に音楽を学びませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/10/31

ウクレレ・レッスンの料金改定のお知らせ

2017年11月1日よりウクレレ・レッスンの料金が変更になります。今までウクレレレッスンは、気軽に楽器に触れて頂けるようにと、他のレッスンに比べてすこし安い値段設定にて行っておりましたが、昨今の物価上昇などによって、レッスンに関わる諸費用等も上がり、今までの価格設定では難しくなってきました。誠に勝手ではございますが、11月以降は、下記のようにピアノ、ギター、セオリーレッスンと同料金とさせていただきます。

ウクレレ・レッスン通常料金(毎週コース=月3回以上)
30分=£20
45分=£25
1時間=£30

隔週レッスン(月2回以下のレッスン)につきましては、今までの料金システム同様、通常料金に加えて一回のレッスンあたり£5増になります。ただし30分レッスンに関しましては、コースによる区別は設けてはおりません。月に受講される回数にかかわらず、一回あたり£20となります。

皆様には大変ご迷惑をお掛け致しますが、何卒、ご理解の程、宜しく申し上げます。


— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/10/28

合格発表!

セカンダリースクールの受験(アプティテュードテスト)対策で、オーラルのレッスンを受けられていた双子ちゃんが、揃って志望校に無事合格したとのお知らせを受けました。超人気校で倍率も高かった上、試験時には予期せぬトラブルもあったために、一時は合格困難かとも思いましたが、結果はなんと上位で合格だったようです。おめでとうございます。春休み・夏休みに行った特訓の甲斐もあったということでしょうか、とにかくよくがんばりました。

教室からは毎年1、2人ほど、音楽受験される方がいらっしゃいますが、受験の為のレッスンというのは特に気を使います。生徒によって苦手な部分が違うため、それぞれに合わせて合格するための必要だと思われるカリキュラムをかんがえています。

アプティチュードテストは学校によって内容に差異がありますが、どの学校の試験にせよ、問われている能力は、一朝一夕には身につけることはできません。試験の一月前等にたずねて来られる方もいらっしゃいますが、それまでにソルフェージュ等の専門的訓練をされたことが無いとしたら、短期間で点数を伸ばすのはほとんど不可能です。模擬試験問題をひたすら繰り返すしか方法はないですが、そのやり方には限界があります。将来受験等を考えている方は、日頃から地道に「基礎トレーニング」を積むのが良いと思います。

2017/10/23

Youtubeチャンネルを開設しました

音の木音楽教室のyoutubeチャンネルを開設しました。今のところ、過去のコンサートの動画などをいくつかのせているだけですが、今後もさまざまな動画を公開していく予定ですので、ぜひご閲覧、ご登録くださいませ。

Otonoki Music School Youtube チャンネル 

2017/10/18

作曲家の肖像画

昔、学校の音楽室の壁に作曲家の肖像画が貼られていた記憶を持つ人はいらっしゃると思います。音の木教室でも、様々な作曲家の顔を覚えてもらえたらと思い、肖像画を壁に貼っているのですが、先日とある男の子の生徒が、レッスンを待っている間に、その肖像画を真似て、教室に置いてあるホワイトボードに描いていました。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト


ベラ・バルトーク


アントン・ヴェーベルン
他の生徒に塗り絵にされてしまいましたが…



いかがでしょうか。なかなかよく描けていて感心してしまいました。実は、ストラヴィンスキー等、他にもいくつか傑作を描いてくれたのですが、写真を取る前に誤って消されてしまいました!残念です。

ところで、これを何人かの大人の方に見せてみたのですが、意外と誰が誰なのかわからないようです。読者の皆さまはわかったでしょうか?


ロンドンで音楽をはじめましょう— Otonoki Music School 音の木音楽教室

2017/10/07

ピアノを習えば楽譜が読めるようになるの?

ピアノを習えば楽譜が読めるようになる、という事を耳にすることがあります。また、そのなのかと質問を受けることがあります。実際、ピアノを子供に習わせられる親御様の中には、ピアノそのものの学習よりもそちら、つまり読譜力の向上を期待して習わせる方もいるようです。

他の先生方からもお話を聞いたり、自分自身もレッスンをして沢山の生徒に触れてきましたが、結論からいえば、とにかくピアノを習えば楽譜がすらすらと読めるようになるというのは、あまり正しくありません。特に現地校でピアノレッスンを受けていた方からは、長年やっていても全然読めるようにならない、サイトリーディングが苦手、読む速度が上がっていかない等、よくご相談を受けますし、また、そのように苦労されている生徒を沢山見てきました。

それでも、やはりピアノが読譜力の向上に一番の近道じゃないの?という声も聴こえてきそうですが、音の木音楽教室の例で言えば、ピアノの生徒よりもすらすら読めるギターの生徒も沢山いらっしゃいますし、習う楽器と読譜力の向上には関連性はあまりないように思えます。確かにピアノは大譜表(二段譜)の楽譜を用いますし、他の楽器に比べて扱う音符の量も多いため、少なくとも読むチャンスは増えるのでは?と思いますが、しかし、もし音符の数が多い分だけ、より時間をかけて読まなければならないとしたらどうなのでしょうか。書かれた音符の数が読む速度を上げるのではなく、速く読もうと努力してこそ読む速度は上がっていくのです。

どんな楽器を選ぼうが、楽譜が読めるようになるためには、楽譜を読むこと以外には方法はありません。ある生徒が、毎回のレッスンで曲をちゃんと仕上げてくるのに関わらず、一向に楽譜がよめるようになりませんでした。何故かと言えば、家でお母さんが横で生徒の譜読みを代わりにしていたからです。小さなお子様の場合等は特に、そのような第三者の助けも必要でしょう。しかし、ゆくゆくは自分自身で読むようにしていかなければ、読めるようにはならないでしょう。本人の上達を辛抱強く見守ることのできる周囲の環境作りが大切です。

ピアノであれ、ギターであれ、ウクレレであれ、読めるようになるために、皆さまそれなりに苦労して勉強されています。同じ壁にぶつかって、それを乗り越えていきます。音の木音楽教室では、楽器のレッスンにソルフェージュやセオリーも追加して学ばれている方が多いですが、それによって、楽器のレッスンだけでは扱いにくい部分をカヴァーしています。音符に触れて、音を想像し、音にする過程を何度も繰り返していくことで、次第に「読める」ように成っていくのです。個人によって進度に違いはあれ、そこには近道はありません。


ロンドンで一緒に音楽を学んでみませんか?— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/10/04

ウクレレのために書かれた曲?

数多くのウクレレの楽譜が出版されていますが、その大部分が編曲もののようです。つまり、元々ウクレレのために書かれた曲ではなく、他の楽器や歌の為に書かれた曲をウクレレで弾けるようにアレンジしたものだと言うことです。もちろんそういったものを弾くことに何も問題はありませんし、なにより好きな曲を自分の楽器でひけるというのは素晴らしい事です。私自身もたくさんの曲をウクレレのために編曲しています。しかし、ある楽器のために書かれた作品というのは、その楽器によって、あるいはその楽器を弾く人にとって特別な存在であると思います。その楽器の特徴を活かした曲や、あるいはその楽器でしか弾けない曲というものがあります。その作品を聴きたければやっぱりピアノでないと、ギターでないと、ウクレレでないと…そう思わせる作品があります。そういった名作が、それぞれの楽器の価値や存在意義を高めるのです。ショパンやリストがもしピアノの為に曲を書かなかったら、ピアノという楽器は今頃、全く違った風に捉えられていたのではないでしょうか?そういう意味で、ウクレレのために書かれた作品が弾かれる機会が少ないとしたら残念なことです。ピアニストがベートーヴェンやショパンの作品を弾くように、あるいはギタリストがソルやタレガの作品を弾くように、ウクレレ奏者が弾けるレパートリーは何でしょうか?


— ロンドンで音楽をはじめてみませんか?Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室 (ロンドン)

2017/09/17

大人のセオリー

ピアノやギターを習いに来られる大人の生徒で、楽器のレッスンと並行してセオリーも習われている方が何人かいらっしゃいます。長い間楽器をされてきた方でも、以前に通われていた教室ではセオリーは教えられていなかった等の理由で、いままで興味はあっても学ぶ機会が無いままに来てしまった方は多くいらっしゃるようです。

経験者の場合でも、初学者と同じように、念のためにもうわかりきっていると思われるような基本的な内容からさらっていきます。実際さらってみると、意外にも沢山のポイントが抜け落ちていることがわかります。楽譜を読むというのは、単に音符を読めるという事だけではないということは、いままでに楽器のレッスンを受けた人はすぐにわかるとおもいますが、セオリーの学習を通して、いままで実は細部まで読んでいなかったということに気づいていくようです。

子供にセオリーを教える場合もそうですが、大人の方には特にセオリーや楽譜にまつわる様々なエピソードを話すようにしています。ごく当たり前に使っている一つ一つの記号それぞれに歴史があります。楽譜を単なるルールとして暗記するのではなく、どうしてそのようになっているのか、そのようになってきたのかというその仕組みを知ることが大切です。楽譜をより奥深いところに分け入って見れるようになると、音楽の理解はより深まっていくのではないでしょうか。

最近、セオリーをしばらく続けられてきた二人の大人の生徒が、ABRSMのグレード5の試験を受け、どちらも文句なしのディスティンクションでパスしていただきました。グレード5は日本でいうところの楽典のレベルに値しますが、これで楽譜を読み解くための入り口にたどり着いた、ということだと思います。これからさらに楽器を極めるも良し、対位法や和声などさらなる音楽理論を学ぶも良しです。


ロンドンで音楽をたのしみませんか?— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/09/14

ABRSM セオリー・グレード5の準備期間について

他のお教室等で楽器を習われていて、セオリーのレッスンのみ単体で受けに来られる方が、ちらほらといらっしゃいます。大人の方にもいらっしゃいますが、お子様の場合は特に、ABRSMのグレード5のセオリー試験を目標にして来られる方が多いです(グレード6以上を受験するのに必須な為)。すでに相当の知識をもっておられる方は、まずは独力で試みるようですが、意外に難しくて…と駆け込んでこられる方もいらっしゃいます。グレード5は概ね日本の楽典と呼ばれているもののレベルに相当します。音楽大学の試験内容に含まれるなど、演奏解釈やさらなる音楽理論の基礎となる部分ですが、多くの小学生にとってはマスターするのは可能であっても、決して容易であるとは言えないと思います。特に噛み砕いて説明できる人のサポートなしで学習するのは難しいのではないでしょうか。事実、大人の方でもそれなりの苦労をして学ばれてるのを見ております。

グレード5を受けるのに、どれくらいの準備期間が必要なのか?という質問をよく受けます。生徒の年齢やすでに持っている知識にもよりますが、出来れば、一年程度は余裕を持って学ばれるのが良いと思います。生徒によっては半年やそれ以下でも可能な場合もありますが、回数や時間を増やすなど、それなりの集中的なレッスンを行うことになるでしょう。出来るだけお手伝いしたいと考えておりますが、あまりにも期限が迫っている場合、期限を延ばしていただくか、大変申し訳ございませんがお断りする場合もあります。セオリーや読譜力は軽くみられがちですが、演奏技術と同等に重要です。単に試験結果の合否ではなく、しっかり仕組みを理解し、演奏の側にフィードバックできるようになるためにも、じっくり学ばれるのを勧めております。今後受験を考えていらっしゃる方は、出来るだけお早目にお問い合わせくださいませ。


— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室 (ロンドン)

2017/09/05

サイクリング

イギリス/ロンドンでの生活を楽しむ方法は色々あると思いますが、音の木からは、とりわけ音楽と自転車を押しておきます。屋内では音楽、屋外では自転車という具合で楽しめます。ロンドンの郊外に一歩出れば、広大な田園風景、車からは見ることのできない素敵な景色の道が沢山あります。景色を楽しみながらぶらぶらしているだけで運動不足も解消できますよ。

先日、ピアノとギターの生徒が自転車を購入されたので、一緒にサイクリングに行きました。


—私達と一緒にロンドン生活を楽しくしませんか— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/09/03

新学期

9月になりました。時の経つのははやいもので、夏休みももう終わり、新学期のはじまりです。現地校に通われるお子様は新しい学年になって勉強も大変ですが、頑張っていきましょう。音の木音楽教室は1日からレッスンが始まり、ホリデーに行かれていた生徒も少しづつ戻ってきていらっしゃいます。レッスン枠の空きは、もうわずかですので、レッスンをお考えの方は、お早めにお問い合わせくださいませ。

—ロンドン生活に音楽を取り入れてみませんか— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/08/10

音楽を聴くことのススメ

とくに音楽を学ぶ人には、色々な音楽を聞いてみることをすすめます。では何を聞いたら良いのかという事なのですが、まずは、自分にとって身近な、好きな音楽からはじめてみてはいかがでしょうか?聴くのは何もクラシックである必要はなく、なんでも構いません。しかし、その自分の気に入っている音楽を「自覚的に」聞いてみるところからはじめてみてください。その音楽が何故好きなのか、どういう所が好きなのか?考えてみてください。または、好きな音楽があったら、同じ音楽家の他の曲を聞いてみてください。どう感じるでしょうか?好きなもの、気になるものがあれば、似たような音楽をさがしてみてください。あるいは、好きな音楽家の影響された音楽家の音楽を辿ってみてください。そこからまた同じ様にして、聴く対象をどんどん広げていきます。そのとき誰か批評家の意見を参考にするのもよいかもしれませんが、そのまま鵜呑みにはしない方が良いと思います。大事なことは自分の耳で聴き、自分なりの音楽のマップをつくることだと思います。可能ならば、ひとつの方向に偏らないように多様な音楽を聴いて、できるだけ広大なマップを作ってください。それが豊かな音楽観の形成につながります。世界の見方が多用でありうるように、唯一の正しい音楽観などというのはありません。獲得した音楽観がユニークであればあるほど、その人の音楽をユニークなものにするでしょう。

—ロンドンで一緒に音楽をたのしみましょう— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/07/20

青空教室

ギターやウクレレはどこにでも持ち運びが出来るのがひとつの魅力です。イギリスは天気の良い日が続いているので、先日とある生徒の提案で、野外でレッスンを行ってみました。木陰にシートを敷いて、コードやアルペジオの話などを一応真面目にしていましたが、そよ風が気持ち良く、なんだかのんびりしたレッスンになりました。ピクニックみたいですね。教室でのレッスンとは違って、新鮮な体験でした。何人かで集まって行っても楽しそうです。


—ロンドンで一緒に音楽をはじめませんか?— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/07/15

Music Picnic 2017 Summer (発表会)

先週末、夏の恒例となっている発表会が終了致しました。今回の出演者は受験等の都合で参加出来ない方が多かったため、昨年より少ない計32人(+親子共演)で行いましたが、演奏時間の方はより長い、6時間という長大なコンサートとなりました(昨年は5時間半)。毎年コンサートが巨大化しているので、次回は何か対策を考えないといけないかもしれません。長時間になってきたのは、子供大人共に成長し、演奏時間の長く聴きごたえのあるレパートリーが増えたからでしょう。

また、今回はピアノとギターに加え、ウクレレの生徒も参加致しました。実は夏のコンサートでのウクレレの参加ははじめての事です(冬はあります)が、子供、大人ともに素晴らしい演奏を聞かせて頂きました。

プログラムは今回楽器の入り混じった二部構成で、前半は子供の部、後半は大人(中学生以上)の部というように年齢で分けさせていただきました。後半のプログラムは、基本的に出演者それぞれに自分の弾きたい曲を選んで頂きましたが、結果はベートーヴェンのソナタ全楽章から、ギターによる弾き語りもあるという具合で、なかなか面白い、バラエティに富んだプログラムになったと思います。

参加された方、本当にお疲れ様でした。またこれから頑張っていきましょう。


(写真のカエルさんたちはウクレレの生徒にいただきました。ありがとうございます!)

—ロンドンで一緒に音楽をはじめませんか?— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/05/21

The Lusters

最近、ギターのレッスンに通っている中学生の生徒が熱心に作曲をしているようで、レッスンの際に作ったトラックを持ってきて聞かせてくれます。フォーマルな作曲のレッスンというよりは、作ったものに対して簡単なコメントやアドバイスをしたり、ディスカッションをするだけですが、毎回新曲の度に新しい事を試しているようで、少しづつ面白い方向に向かっていると思います。これからどんな曲が生まれるのか楽しみです。

The Lustersという名義で、SoundcloudYoutubeに作品を公開しているそうなので、どうぞ聞いてみてください。

The Lusters (Soundcloud)
The Lusters (Youtube)


—北ロンドンの音楽教室— 音の木音楽教室

2017/05/08

グレード試験の結果

音の木音楽教室では、グレード試験を受験される方が年間通していらっしゃいますが、特に春3月に受験される生徒が多くなっています。今年の場合はグレード1からグレード7まで、14人の生徒が受験しましたが、無事に全員が合格できたという通知が来ました。今回、審査員によって評価の厳格さに差異はあるにせよ、出てきた結果は概ね予想どおりだったように思います。

毎回、受験する生徒にとっては勿論だとおもいますが、指導する側としても今後の課題を見つける良い機会になっています。

時代様式に関するオーラルの問題がグレード5から追加されています。問題を解くコツやポイントは勿論あるのですが、それを教えるだけではやはり付け焼き刃になりがちで、多彩な問題に対して常に正解を出すのは、なかなか難しいようです。やはり多くの生徒が、「弾く経験」に対し、「聴く経験」が不足気味のようであり、普段からもう少し色々な音楽に触れられるようにした方が良いでしょう。音楽の学習は、まず誰かの演奏する音楽を聴く事からはじめるもので、そういう意味で「聴く」というのは学ぶ上で非常に大事なことだと思います。


—ロンドンのピアノ&ギター・ウクレレ教室— Otonoki Music School

2017/03/29

2016年アンサンブルのCD

2016年の冬に行った、アンサンブル企画のCDが出来上がりました。今回のアートワークは、残念ながらこの3月に日本へ本帰国となりましたRちゃんのものです。丁寧に色塗りしてくれたので、ほとんど編集もしませんでした。Rちゃんに描いてくれたお礼にプレゼントしたら、とても喜んでくれました。CDというメディア自体はだんだん使われなくなり、消滅しつつありますが、こうやって一つの出来事を何かしらの形でのこしておくことには意味があるのではないかと思います。

アンサンブルのCDもこれで4枚となりました。一人で完結できるものとは違って、人が揃わなければ出せない音があります。あの時、あの人、あの楽器の組み合わせでなければ出来なかった音がここには収められていて、うまく行ったものもいかなかったものも、よい思い出になると思います。



—ロンドンで一緒に音楽をたのしみましょう— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/03/26

世界最大のウクレレ

以前の記事で、ウクレレの魅力の一つがポータビリティ(携帯性・可搬性)だということを書きましたが、今回は逆に、簡単に持ち運べないウクレレについての話題です。

ミシガン州にお住まいのLarry Stumpさんの制作した、3.99mのウクレレが、世界で最も大きなウクレレとして2017年のギネス・ワールド・レコードに認定されました。3ヶ月程の製作期間と600ドル程の制作費がかかったそう。このウクレレは見かけだけではなくて、一応楽器として演奏可能とのことです。弦は、アーチェリーの弓弦とパラコード(パラシュートコード)を使用しているそうですが、普通のウクレレに比べるとやはり音域はずいぶんと低いですね。




—北ロンドンのピアノ&ギター・ウクレレ教室— Otonoki Music School

2017/03/25

楽器をはじめる中学生たち

小さい頃に楽器をはじめて中学生の頃には勉強が忙しくなってやめる、というような話をよく聞きますが、音の木音楽教室では逆に最近、中学生になってレッスンをはじめられるケースが増えています。

中学生くらいの年齢になると、飲み込みがはやく身体的にも大人に近いので、レッスンの進行はとてもスピーディです。特に読譜力の伸びは大きく、小さい頃から何年もやっている子を軽々しく抜いていきます。また、自我も確立し、好きなものが割りとはっきりしているため、興味のあるものを与えると、みるみるうちに吸収していくようです。

ところで、先日とある方に、中学生の息子がピアノに興味を持っているのだが、そのような年齢からはじめるのは少し恥ずかしい、もう遅すぎるのではないかとご相談されました。その方によれば、日本ではそのように中学生からはじめるなんてちょっと変…というような空気があるのだそうです(!)。同じように、音楽はとにかく小さいうちにはじめさせないとモノにはならない、と焦って来られる方も結構いらっしゃいます。これは、早期教育の重要性をうたい、生徒獲得・囲い込みを狙った大手音楽教室間の競争による弊害ではないかと疑っています。

しかし、今まで色々な音楽家を見てきましたが、始める年齢はほんとうに関係ないとおもいます。何を目指すのでしょうか?何を音楽に求めるのでしょうか?小さい頃に親の期待を背負わされ、無理やりさせられたために嫌いになり、全く弾かなくなってしまったというのはよく聞く話です。一方で、15歳でピアノをはじめて音楽大学の教授になった知り合いがいます。17歳からはじめて2年でプロのジャズピアニストになった友人がいます。そのような事は努力次第で十分にあり得る事だし、やってみなければ誰にもわからない事なのです。だから音楽をはじめるのに早すぎても遅すぎるなんてことはありません。本人が自分で決意したときこそが本当はスタートするときなのです。音楽が好きで十分に専心できるならば、はじめる年齢は関係なく必ず伸びるでしょう。


—ロンドンで音楽をはじめましょう— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

2017/03/20

ギターの練習をする前に

ギターのレッスンは、他の楽器のレッスンと同じように、簡単で単純なものから複雑なものへと少しづつ順に進んでいきますが、ある段階に来た時に、音が出ない、上手く押さえられないということが突然発生することがあります。たとえば、指に大きな負担を強いる押さえのコードが出てきたときです。そんな時に、地道な技術練習ももちろん大切なのですが、まずはその前に楽器が十分に弾きやすい状態になっているかを考えてみてはいかがでしょうか。

残念ながら新品のギター、特に大手メーカーの量産品の場合は、最も弾きやすい状態に調整されているとは限りません。メーカーとしては音がビビって不良品として扱われないように、多少弾きにくくとも音が確実に出るようにしているのでしょう。クラシックギターの場合は柔らかいナイロン弦ですのであまり問題は出ないのですが、特に、非力な女性が鉄弦のアコースティックギターを弾くとなると、時になかなか大変な苦労が伴う事もあります。

楽器のせいではない、演奏技術がまだ足りないのだから、まずはがむしゃらに練習にはげむべきだと仰られる方もいらっしゃいます。そういうのも大事なことでしょう。しかし、そのように言われる方に私のギターを弾いていただくと、多くの人が、自分のものとは弾き心地が全然違う!とおっしゃられます。せっかくの練習で最大の結果が得られるためには、まずは楽器の調整を含めた環境を整えることが大事ではないでしょうか。


— 一緒にロンドンで音楽をたのしみましょう Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室





2017/03/13

強弱記号について (pf)

楽譜上にあらわれる太字のf・pとは、それぞれforte(強く)、(弱く)を意味する省略形です。そのfとpを組み合わせたfp、すなわちフォルテピアノというものもあります。fp(フォルテピアノ)とは通常、強く弾いた(フォルテ)後に、突然、もしくは次第に弱く(ピアノ)するという意味です。一方で、pとfの順が逆になったpfという記号もあります。上記のfpの例から類推すればピアノ・フォルテ、すなわち弱く弾いた後にすぐに強くするということになりますが、実はそうではありません。pfにおけるpはpianoの略ではなく、poco(少し)、あるいはpiu(よりいっそう)の略だということです。つまりpfとはpoco forte(少し強く)、あるいはpiu forte(より強く)の意味になります。


上記の譜例を見てください。マテオ・カルカッシによるギター教本からのもの(Allegretto in F major)です。中段にpf(赤丸で囲んだ部分)が出現しますが、先ほどのピアノ・フォルテ(弱く開始し、強くする)の意味で捉えてしまうと、ギターの音楽としては 意味がよく通らなくなってしまいます。ここではやはり少し強く(poco forte)、あるいは直前のmf(青丸)のセクションよりも強く弾く(piu forte)の意味で捉えるのが自然です。pfで始まる同セクションの終わりにf(黄丸)の指示が出てくることを考えると、ここでは少しだけ強く—あまり強すぎないように—弾くのが良いでしょう。

ちなみに、ダニエル・ゴットリーブ・テュルクは1789年に出版した著書クラヴィーア教本の中で、pfについて「一部の教本で説明されているように、piano forte、つまり弱強を意味するのではない」と断り書きをいれていますが、これはつまり現代の私達だけではなく、18世紀にはもうすでに混乱がある記号だったということを示しています。

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2017/03/07

ウクレレの魅力 (ポータビリティ)

ウクレレの魅力のひとつは、高いポータビリティ(Portability)でしょう。ギターもそうですが、ウクレレはさらにちいさいので、ほんとうにどこへでも気軽にもっていけます。教室に来ている小学2年生の女の子の生徒が、クリスマス会に持っていってクリスマスの曲を弾いたり、次は日本に持って帰っておじいちゃんのためにハッピーバースデイを弾くと言っていました。習ったことが生活の中にダイレクトに活かされていますね。ものものしいセッティングを要するコンサートだけでなく、日常のさまざまな場面で弾けるという意味ではウクレレはとても実用的な楽器だといえるのではないでしょうか。独奏楽器としても、うたの伴奏楽器としても、相手に威圧感を与えること無く、自然に風景にとけこめる楽器です。イギリスはこれから次第に暖かく、よい季節になりますが、ピクニックやアウトドアのお供にもよいかもしれませんね。


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2017/03/06

ベートーヴェン ピアノ・ソナタの初版譜

最近、ベートーヴェン作品を弾かれる方が何人か教室にいらっしゃっるので、この機会にと思い、テクラ社(Tecla)から出版されている、32曲のピアノ・ソナタの初版譜のファクシミリ(リプリント)を購入しました。


現代の、よどみ無くスッキリとした印刷技術に慣れた目から見ると、よく言えば味がある、悪く言えば荒く、不鮮明で見づらいというような印象を受けますが、当時はもっとも細密な印刷技術であったのは間違いないでしょう。少なくとも、それこそが作曲家が考えていた出版譜のすべてであり、自分や他の音楽家に読まれることを想定して創作に励んでいたのです。このような楽譜を、現代のLEDではなく、ろうそくに毛がはえたようなランプの暗がりで眺めた光景を想像してみてはいかがでしょうか?違った音の世界が開けてくるはずです。

ある作品を読み解く上で、初版譜はまちがいなく重要な資料の一つです。ときには最終決定稿として、残されている自筆譜以上の意味を持ちます。様々な出版社から出ている原点版と称されるエディションは初版譜を含む様々な資料を参照しながら編集されていますが、やはりどうしても現代の編集者の視点からは逃れられません。なによりもまず、様々な資料をもって、唯一の「本当の作曲者の意図」を照らし出そうというその態度こそが大変「現代的」であるとも言えるでしょう。一方、当時の楽譜を眺めてみると、たとえばレイアウト一つとっても、現代の要求とは全く違う考えの元に作成・編集されていることがわかります。

本も楽譜もただの抽象化された記号や情報ではありません。それを忘れて、ある部分だけに焦点をあてれば、一方でこぼれ落ちる部分も出てしまうのです。原典版というのは、作品を包括的に、そして手っ取り早く理解する近道ではあるでしょうが、まだ情報として取捨されていない一時的資料に直接に当たるというのは、作品の全体と本質をとらえる上で、大きな意味があると思います。

*テクラ社のブライアン・ジェファリが、現代のエディション(ヘンレ版)とを比較して、いくつか細かな記譜上の違いと、それが音楽解釈に与える影響について述べています。

Why, exactly, this Tecla edition may be useful to pianists.


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2017/03/01

合唱のピアノ伴奏

少し前の話ですが、教室に通う中学生の男の子が突然合唱のピアノ伴奏をすることになったと言いだして、大変驚きました。何しろピアノをはじめてからまだほんの1年ほどで、普段の様子からは、とてもそんな大役を務められないと思えたからです。クラスの中には他にもピアノが上手な生徒はいたものの、名乗り出る人が他に誰もおらず、場の流れで”つい”、立候補してしまったということです。立候補した後、本人もしまったと思ったようです。しかし、自分で言いだした事もあって、それ以来自らすすんで真面目に練習に励み、結局驚くほどの速さでものにしてしまいました。自主性というのは大切だと気付かされます。長い間楽器をやっていても、習得した技を誰かのために使うことができるというのは、なかなかできる事では無いと思います。音楽を通して、自分に自信をもち、物事に前向きになっていけるのは喜ばしいことですね。

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2017/01/06

2017年 新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。2017年も、音の木音楽教室をよろしくお願いいたします。昨年も様々な事があり、忙しく、楽しく過ごす事ができました。今年もまた、私達自身、新しいことに挑戦していく年にしたいなと思っています。1月4日よりレッスンを開始いたしましたので、ロンドンの寒さに負けず、みなさん張り切っていきましょう。